
ギリシャは、南ヨーロッパの非常に人気の高い観光地です。個性豊かな料理・言葉・文化・リゾート、そしてユネスコの世界遺産に指定されるパルテノン神殿やアクロポリス、古代ギリシャの神々を祭った数々の寺院などの素晴らしい建造物が、年間数百万人もの観光客を魅了しています。
近年世界的な財政危機に直面しましたが、ギリシャ経済は上向きで、サービス業、農業、商業、旅行業において成長を続けています。このような背景によりギリシャは、移住と投資の有望な候補地として、世界中から注目を集めています。
ギリシャは地域経済活性化のため、25万ユーロ以上を住宅不動産物件に投資した外国人に、5 年間の更新制居住ビザを提供するという投資移民プログラムを提供しています。
同プログラムが特に注目を集める理由のひとつは、南ヨーロッパ諸国で提供されている不動産投資プログラムのなかでは、必要投資額が最も安いという点です。さらに、外国人投資家は合計25万ユーロの複数の不動産物件を購入しても必要投資額の条件を満たすことができます。
居住権取得のプロセス
ギリシャでの居住権申請にあたって、申請者はまず有効な入国ビザを保有する必要があります。ビザの申請方法は出身国によって変わってきますが、どの種類のビザでも、ギリシャ入国を済ませた外国人は、不動産投資移民プログラムによって居住権を申請できます。
申請には下記の3点が必要です。
- パスポートサイズのカラー写真3枚
- 申請者のパスポートのコピー
- 世界保健機構(WHO)に指定された伝染病にかかっていないことを証明する健康診断書
さらに、25万ユーロ以上の価値の不動産(または複数の不動産物件)購入時の契約書のコピーと、契約がギリシャでの投資移民の必要条件を満たしていることを証明する公正文書も必要になります。不動産物件がすでに投資家に譲渡されている場合は、所有権譲渡の証明書類を提出します。ただしギリシャでは、所有権の確認が土地台帳の不足により容易ではないことを留意しておく必要があります。
投資家は、ギリシャの外国人と移民事項を取り扱う行政機関に申請書類を提出することになります。機関の事務官が申請を承認すれば、ご本人とそのご家族は居住許可証を取得できます。許可証は最初 5 年間有効ですが、その後更に 5 年間の延長が可能で、その後も希望すれば何度でも更新できます。
市民権の取得の可否ははっきりした見解はありません。確認する移民弁護士、移民エージェントによって相違があります。参考までに下記の「1」「2」の説がありますので、ご紹介しておきます。
- 重要な点として、ギリシャの不動産投資移民プログラムでは市民権の取得はできないことが挙げられます。同プログラムでギリシャに居住した年月は、市民権取得の必要条件に適応することができません。
- ギリシャに居住の義務はありません。このギリシャの制度の特徴は、不動産を所有し続けるだけで住まずに20年後に市民権を申請できます。
就労
居住許可を得る事で就業ができます。
残念ながら、将来の不動産価値については厳しいと予測されています。特に、2015年1月25日に実施されたギリシャ総選挙で、財政緊縮反対を掲げる急進左派連合(SYRIZA)が勝利し、チプラス党首が新首相に就いたことによってユーロ圏から離脱する可能性が高まりました。したがって、不動産投資による移民を受入れているEU加盟国のなかでは不動産物件の値下がりの可能性が最も高く、購入には十分な情報収集が不可欠です。
ちなみに、物件につきましては、価格約250,000~300,000ユーロで、2LDK~3LDK、約90~110㎡の物件が購入可能です。ほとんどの物件には地下に収納スペースと駐車場があります。