
豊な文化と歴史を誇り、手頃な予算で非常に高い生活水準を得ることができ、税制支援も受けられるタイは、旅行やビジネスの魅力的な目的地として注目を集めているだけでなく、東南アジアで最も人気の高い移住先のひとつです。国民のフレンドリーな性格を反映して「微笑みの国」と呼ばれるタイは、温暖な気候や壮大な景観、素晴らしいレジャー施設に囲まれた生活を楽しむべく、同国に移住する富裕層の家族や定年退職者が増えています。
今回紹介する世界でも類をみない会員制ビザプログラムである「タイランド・エリート・レジデンス・プログラム」は、外国人に最長20年の居住権が付与され、「東南アジアの宝石」と称される同国への無制限アクセスと、様々なVIP特典を提供します。この特別居住ビザは、観光・スポーツ省傘下のタイ国政府観光庁の完全出資子会社であるThailand Privilege Card Company Limited (TPC)によって発行されます。
プログラムの会員オプション
「エリート・レジデンス・プログラム」に最低居住条件はなく、選んだ会員オプションで規定されている年数以内であれば、好きなだけ滞在することができます。
同プログラムは7種類の会員オプションで構成されており、それぞれ滞在可能年数、メリット、費用の面で異なります。以下に、最も人気の高い3つの会員オプションをご紹介します。
- エリート・イージー・アクセス会員 — タイに住んでみたい人やビジネス目的の人がタイに出入国するのに便利なメンバーシップです。税込50万バーツ(約1万6,000米ドル)を支払い、5年間の特別居住ビザを取得できます。年会費も年齢制限もありません。
この特別居住ビザを譲渡することはできませんが、税込み160万5,000バーツ(約5万米ドル)を支払うと、エリート・アルティメート・プリビレッジ会員にアップグレードできます。 - エリート・ファミリー・エクスカージョン会員 — 2名以上の家族向けメンバーシップで、それぞれの会員に5年間の特別居住ビザが付与されます。2人分の会員費は税込80万バーツ(約2万5,000米ドル)で、扶養家族が1名増えるごとに税込30万バーツ(約1万米ドル)を支払います。申請者本人の扶養家族には、生みの両親、義理の両親、配偶者(同性婚も可)、実の子供、継子を含みます。年会費も年齢制限もありません。また、この特別居住ビザを譲渡することはできません。このメンバーシップでは、国際線の空港への無料送迎や、政府コンシェルジェサービスなどのVIP特典を利用できます。
- エリート・スペリオリティ・エクステンション会員 — 税込100万バーツ(約3万2,000米ドル)を支払うことにより、20年間の特別居住ビザを取得できます。年会費も年齢制限もありません。このメンバーシップでは、政府コンシェルジェサービスや空港サービスなどのVIP特典を利用できます。
申請プロセスと取得期間
TPCは効率の良い申請プロセスを採用しています。およそ2か月程で指定の空港にてビザが発行されます。
原則的にTPCは、申請希望者の経歴審査を行った後でのみ申請を許可します。場合によっては、追加資料の提出を求められることもあります。申請許可の手紙と一緒に、一回限りの料金の請求書が発行されます。TPCによって全額の支払いが確認されると、特別居住ビザが2週間以内に付与されます。
ビザのスタンプを実際に入所する前に、許可を受けた申請者とその扶養家族は、移民局のラウンジでビザをパスポートに貼ってもらうため、タイに到着する日時と空港名を到着の7日前までにTPCに報告する必要があります。
「エリート・レジデンス・プログラム」を通じて無事にビザを取得した申請者は、選んだメンバーシップの有効期限まで好きなだけタイに居住または滞在できます。唯一の条件は、連続して90日間タイに滞在した際に、TPCにその旨報告する義務があることです。
プログラムの主なメリット
- このプログラムでは、会員費50万バーツ(約1万6,000米ドル)で5年間の居住権を取得できるエリート・イージー・アクセスから、214万バーツ(約6万8,000米ドル)で20年間居住できるエリート・アルティメート・プリビレッジに至るまで、様々な会員オプションがあります。
- 最低滞在期間の条件は無く、数日でも、数ヵ月つでも、または選んだメンバーシップで規定されている期間いっぱいまでタイに滞在することができます。
- プログラムの献身的なパーソナルアシスタントによる国際線のフライトやラウンジの使用、空港への送迎の手配や、数ヵ国語に対応している会員向けコールセンター(24時間対応)のご利用など、様々なVIPサービスを受けられます。
- タイでは、低いコストで、レベルの高い生活を享受できます。
TPC(Thailand Privilege Card Company Limited)を通じて取得する特別居住ビザは、非移民ビザには属さないため、永住権や市民権の取得には至りません。
タイの永住権を取得するには、永住権の申請を行う前に、3年以上タイの非移民ビザを所有しており、1年間のビザ延長を継続して3回行う必要があります。また、申請時に非移民ビザを保持していなければなりません。
タイの永住権を10年間継続して保持している場合、市民権を申請し、帰化してタイの国籍を取得することができます。