
スイスは生活の場として世界で最も魅力的な国のひとつであり、また素晴らしいビジネスの機会も提供してくれます。その安定した政治と経済、クリーンで安全な環境、比較的低い税率が、居住とビジネスの両方においてスイスが最高の選択肢とみなされている所以です。
スイスには複数の異なる居住権のカテゴリーがあり、EUまたはEFTA(欧州自由貿易連合)の加盟国出身者と、上記のいずれにも当てはまらない外国人ではカテゴリーが異なります。
スイスとEU加盟国の間で締結された移動の自由に関する協定により、EU/EFTA加盟国出身者は簡単にスイスで居住権を得られるようになりました。主な条件は、スイスで職があること、または働かなくても生活ができるだけの資産があることです。
EU/EFTA加盟国以外の国の出身者の場合も、有給で雇用されている就労者(ただし厳しい定数制あり)、以前からスイスと深い繋がりを持っている退職者、スイスで有給の職には就いていないものの多額の年税を納めている資産家として居住権を取得することは可能です。EU加盟国以外の国の出身者がスイスの居住権を得た場合、シェンゲン協定の加盟国にビザなしで渡航することができます(国籍によってはスイスの居住権なしでもこの特権を得ている場合があります)。
スイスは自然の美しさや政治・経済・社会の安定性、投資家や起業家にとって有利な金融・税金制度で知られています。不動産市場の評価も高く、過去40年間以上に渡って安定した成長を見せています。
一方、スイスは何十年にも渡り、外国人による不動産の購入を制限しています。購入許可を得るのは難しく、スイスで別荘を購入したい外国人向けの税金・不動産プランの選択肢の幅も狭いのが現実です。
ただし、スイスで居住権を取得している外国人の場合は、自分で使用するための不動産を購入することが許されています。また、外国人による商業不動産の購入・所有に関しては、制限が撤廃されています。
スイスに居住していない外国人による住宅不動産の購入
原則として、スイスにて住宅不動産の購入を希望する外国人は必ず購入前に政府当局から許可を得る必要があります。ホリデーリゾートとして、州当局に指定されている場所に別荘を購入する場合は、許可を得られる可能性がありますが、政府が州ごとに割り当てた外国人による別荘およびホテルコンドミニアムの年間購入許可数に達した時点で購入できません。
州政府と自治体は連邦政府の規定よりもさらに厳しい制限を課す場合がありますので注意が必要です。ちなみに別荘およびホテルコンドミニアムの購入は、実在する人物が自分の名義で行う必要があり、企業名義で購入することはできません。
スイスで居住権を持つ外国人による住宅不動産の購入
1997年以降、スイスで居住権を持つ外国人が個人の使用目的で妥当な大きさの家またはアパートを購入する場合、事前の許可を得る必要がなくなりました。
同様に、外国人が経営するスイス企業も、自社のオフィスまたは生産施設として使用するための不動産を許可なしに購入できるようになりました。従って、スイスで不動産を購入し、同国での長期滞在を希望する方にとっては、スイスへの海外移住、および同国の居住権取得は魅力的な選択肢の一つと言えます。
商業不動産の購入
外国人または外国の組織による商業不動産の購入に関しては全く制限がありません。従って、スイスの商業不動産への投資に興味がある外国人や外国企業にとって、興味深い税金プランのオプションがあります。
環境
以前からスイスはビジネスをしやすい環境を整え、あらゆるビジネスのニーズや期待に応えるためのソリューションを提供してきました。スイスに請求書を再発行する部門を設立すれば、全体的な法人税の税率を約10%に削減することができます。また、二重課税を避けるための協定を米国を含む多数の国と締結しています。さらに、同国の26州には様々なビジネスの機会があり、すなわちスイスに関連するメリットは、各州特有のメリットが加わることによって26倍に膨らむと言われています。
こうした恩恵にあずかるために、大企業の多くがスイスに本社や欧州事業の中心拠点、国際金融部門、研究開発施設などを置いています。ルツェルンに欧州事業の中心拠点を持つアムジェン、シュヴィーツ州に本社を置くキューネ・アンド・ナーゲル、ヴォー州とチューリッヒ州にそれぞれ欧州事業の中心拠点を持つフィリップ・モリスとコンパック・コンピューター、同じくチューリッヒ州のリュシュリコンに研究ラボを構えるIBMなどが例として挙げられます。
低めの税率にもかかわらずトップレベルのインフラ
スイスでは近年の法人税改正の結果、税制がさらに改善され、より魅力的なビジネス環境を提供しています。また、これらの改善策の結果、スイスの持株会社の魅力は一層高まり、世界で最も有利な権限が持株会社に付与されています。スイスは非常に物価が高く、個人富裕層や大企業にしか手が届かないというイメージが強いかもしれませんが、スイスにおける生活とビジネスの総合的なコストは、実はドイツやフランス、オランダ、米国に比べて圧倒的に有利なのです。スイスが誇る最新の技術を駆使した輸送、通信、エネルギー供給、廃棄物処理等のシステムのコストは、他の国が交通渋滞や環境破壊の対策のために費やしているコストとほぼ同レベルかそれ以下です。
スイスの銀行業と保険業
スイスの金融システムの土台である銀行業と保険業は、間違いなく世界で最も安定していると言えます。同国の金融産業全体が厳しく統制されているため、スイスの銀行と保険会社は非常に安全なのです。世界から高い評価を受け、安全性が認められているスイスの銀行と保険会社は、プライバシーを維持しながら優れたサービスを企業や目の利く投資家に提供し、独特の地位を築いています。