
マルタ共和国は、地中海に浮かぶ3島からなる独立国で、イタリア最南の島、シチリア島のさらに南の沖合約90キロの距離に位置します。ヨーロッパ有数のリゾートとしても有名で、年間約120万人が訪れます。下記の理由から移住先として超富裕層・富裕層から人気があり、第二のモナコとして注目されています。
マルタに移住するための2つの方法
マルタに移住するには、「1.永住権取得プログラム」と、「2.帰化による市民権取得」の2つの方法があります。
1. マルタの永住権取得プログラム(The Malta Permanent Residence Programme)
マルタの出身者でない方でもマルタの永住権取得プログラムを通じて永住権を取得することで、EU加盟国のどの国でも居住権を得ることができ、また欧州のシェンゲン圏にビザなしで渡航することが可能になります。
【メリット】
- EU加盟国での居住権および欧州のシェンゲン圏へのビザなしの渡航
- マルタの永住権
- 投資が求められるのは最初の5年のみ
- 居住の必要なし
- 家族も含まれる
【申請条件】
- 35万ユーロ以上 (マルタ島南部/ゴゾ島の場合30万ユーロ以上)の不動産の購入、または年間賃料が1万2,000ユーロ以上 (マルタ島南部/ゴゾ島の場合1万ユーロ) の不動産の賃貸
- 居住用不動産を購入する場合は2万8,000ユーロ、不動産を賃貸する場合は5万8,000ユーロを政府に納める
- 非政府組織に対する2,000ユーロの寄付
- 4万ユーロの返金不可の手続き料
【申請プロセスとその期間】
マルタの永住権取得プログラムの申請条件はそれほど困難ではなく、申請プロセスもシンプルです。まず、申請書を永住権の発行を担当する政府機関のResidency Malta Agencyに提出します。厳格なデューディリジェンスの実施後、審査を通過した申請者は申請条件の投資を完了することが求められ、その後、居住権が付与されます。居住権を取得すると、居住許可書として機能するマルタの居住証明書がResidency Malta Agencyによって発行されます。
2. 帰化による市民権取得(Citizenship-by-Naturalization)
2020年に施行されたマルタの市民権に関する法律 (Maltese Citizenship Act Cap. 188, LN437 of 2020) の下、直接投資(寄付)を通じてマルタの経済開発に貢献することで、外国人とその家族は帰化証明書を取得し、市民権を得ることができます。ただし、市民権を申請する時点で最低36か月 (例外的に12か月) マルタの居住権を保持している必要があります。各申請者について、バックグランドチェックを含む厳格なデューディリジェンスが実施されます。Community Malta Agency は市民権の申請手続きと審査を含む、市民権に関する政務を担当するマルタの政府機関です。
【メリット】
- 186か国へのビザなしの渡航または到着ビザの取得が可能
- 高い評価と透明性を誇る金融サービスの中心地かつ、国際ビジネスの主要拠点のひとつ
- 世界で最も厳格なデューディリジェンスの基準と申請者の審査により、評価の高い申請者のみに市民権を付与
- ロケーションに恵まれ、飛行機による交通の便も良く、生活、または別荘を保有するのに理想的な環境
【申請条件】
直接投資(寄付)による顕著な貢献を通じて帰化し、マルタの市民権を取得するプログラムへの申請は、徹底的に調査・評価され、4つの段階で構成されるデューディリジェンスが実施されます。申請には、以下の要件を満たす必要があります。
- 満18歳以上
- 60万ユーロ以上の投資(寄付) (例外的に75万ユーロ)。必要な投資額は居住権を保持している期間によります (通常36か月、例外的に12か月)。
- 70万ユーロ以上の居住用不動産をマルタで購入し、5年以上保有していること。または、年間賃料が1万6,000ユーロ以上の不動産を5年以上賃貸していること。この5年間の間、不動産をまた貸しすることができないことにご注意ください。また、居住権保持中に上記の条件にあてはまる不動産を購入している、または36か月 (例外的に18か月) 以上賃貸している必要があります。
- Community Malta Agency によって承認され、登録されているスポーツ、文化、科学、慈善活動、動物保護、芸術の分野で活動する非政府組織または団体に1万ユーロ以上寄付すること。
- 36か月以上 (例外的に12か月) マルタの居住権を有し、年間賃料が1万6,000ユーロ以上の不動産を36か月以上 (例外的に12か月) 賃貸していること。市民権の申請には、有効なレジデンスカード (居住許可証) が必要です。
【手続きおよび審査期間】
申請は、規定の申請用紙に記入し、適切な手数料と指定されたドキュメントを添えて提出する必要があります。厳格なデューディリジェンスが実施され、提出された内容に虚偽の情報が含まれていたり、申請に必要なものが欠けている場合は、申請が却下されます。
Community Malta Agency によるデューディリジェンスの第1段階を通過すると、居住権の申請が提出されます。居住権取得後、資格のある申請者の市民権申請が提出され、第2~4段階のデューディリジェンスが同機関によって実施され、マルタの内務大臣によって申請者に市民権を取得する資格があるかどうかが判断されます。
居住権を取得してから36か月 (例外的に12か月) 経過すると、資格を有する申請者による市民権の申請が Community Malta Agency に提出されます。内務大臣によって申請者がマルタの市民権を取得する資格があるとみなされた場合、投資、 寄付、不動産に関する要件を申請者が満たす必要があります。すべての要件を満たした申請者は、マルタに対して忠誠を誓う儀式に招待され、マルタに帰化したことを証明する証明書が授与されます。
Community Malta Agency は5年間にわたり、継続的にモニタリングを行います。
マルタでは二重国籍に対する制限はありません。
近年、マルタ政府は海外資本を呼び込むため、海外投資家と起業家に対する税控除などの優遇策を導入しています。
過去15年間、マルタは近代的金融センターを開発し、現在では南ヨーロッパでもっとも重要な金融拠点となっています。
マルタは貿易会社や条約で保護された国際的な持ち株会社を低税率で登記するには最適です。また船舶の重要な登録地でもあり、ヨットの無税登録でも人気があります。
マルタの労働者は、英語が話せ、勤労意欲が高く、質の高い教育を受けています。また、マルタは国内でビジネスを始める外国人や企業に対し、工場の賃料を低めに設定したり、低金利のローンなどの優遇策を提供しています。それ以外にも地中海ビジネスの戦略的な拠点として、活発な国際取引状況と生活水準の高さにより最も魅力的な地域となっています。
マルタでビジネスをスムーズに立ち上げるためには政府関係者、銀行、起業の専門家などとのコネクションが肝要です。私どもの経験豊富なコンサルタント及び現地提携会社のエキスパートがあなたの新しい環境でのスタートをサポートいたします。
ル・セルヴァンは既存の法律事務所やコンサルティングファームを補完するようなサービスを提供しています。またマルタや他の地域への移住、営業拠点の開設、租税対策などに関わる複雑で専門的な分野のアドバイスも行っています。